こんにちは!石田美穂です
以前、動画における企画書作成のポイントをご紹介いたしました。
動画制作においては打ち合せの時点で「目的」を明確にすることが最も大切ですが、動画マーケティングでは動画を制作して配信をしたら終わり、ではありません。
むしろそこからが始まりなのです。
動画広告を制作する際には必ず目的があると思います。例えば会社の認知度やイメージを上げたい!、売上や取引数を上げたい!など、目的達成ために動画広告は制作され、世の中に送り出されています。せっかく制作した動画も観てもらえないようでは意味がありません。そこで、動画配信後にその目的が達成されているのか、あるいは達成に近づいているのか効果を測定することも非常に重要です。
今回は、動画広告における効果測定をするためのKPI設定を学んでいきましょう。
KPI=重要業績評価指標とは
KPIは、Key Performance Indicatorの略称で、日本語では重要業績評価指標といいます。Web関連のマーケティングを行ううえで、効果達成度を測定するために用いる行動指標として非常に重要であり、KPIを活用することでその効果を可視化、評価し改善を加えていきます。
動画マーケティングの目標を明確化しよう
KPIとはいわば「最終的な目的を達成するための中間目標」です。
動画広告ではターゲット別に段階を踏んでアプローチする必要があり、目的を絞ったほうがKPIの設定がしやすく、マーケティングの効果も高くなるとされています。
目標により設定するKPIが異なり、間違ったKPIを設定してしまうと、正しい効果が見えません。
また、初めて動画広告を制作するときには、実際に配信してみなければ分からないという部分も多くあるかとは思いますが、制作する動画のクリエイティブも異なってきますので、予算と照らし合わせながら可能な限り目標となる指標を決めておくと動画配信後の改善プロセスが機能しやすくなります。特にどの目標を最優先するのかは、あらかじめはっきりとさせておきましょう。
動画広告では大きく分けて以下の目的に分かれます。
<認知>
認知とは、商品やサービスの存在を広く知ってもらうことです。
まずは、商品やサービスの存在を知ってもらわないとその後の検討も行動も何も始まりません。「潜在する顧客に対して、いかに商品やサービスを知ってもらうか」そこを目標とした動画広告となります。認知を目的とするKPIでは、広告がどれだけの数の人に届いているのかが重要で、以下の項目がKPIになります。
・視聴回数…動画広告をユーザーが視聴、または再生した回数
・インプレッション…動画広告が画面上に表示された回数(未再生もカウントされる)
・ユニーク視聴者数…動画を視聴した人数
<検討>
検討とは、商品やサービス価値を訴求し、購入検討の促進へつなげることです。
動画を使って商品やサービスを売り込もうとした場合、その商品を比較検討してもらうということが必要です。したがって、動画広告が顧客に対してどのくらい興味を引いているのかを測定することが重要となります。
・視聴完了率…動画が30秒以上または完了まで再生された回数の割合
・再生時間…動画の総再生時間・平均再生時間
・ブランド関心度…GoogleやYouTubeの検索における指定したキーワードの検索数が、広告配信前後で変化したかをサーチリフトで測定する
<行動>
行動とは、商品やサービスの購入や問い合わせ、メールアドレスの登録など、顧客の具体的なアクションを促進する=コンバージョンしてもらうことです。
行動促進の場合は、動画広告が顧客の具体的なアクションや売上へと結びついているのかの測定が重要になります。
・クリック数…広告がクリックされた回数
・問い合わせ件数…動画広告配信後の問い合わせの数
・コンバージョン数…商品やサービスが購入される、会員登録されるなど、画広告で獲得した成果数・売上…動画広告を通じて得た売上
設定したKPIに応じて動画を解析しよう
適切なKPIを設定したら、動画マーケティングを開始してからの推移をチェックしましょう。
解析には、KPIに応じて適切なツールを使い分けましょう。
たとえば、Youtubeで配信する場合は「Youtubeアナリティクス」というツールがあります。
他にも、Webサイトでは「Googleアナリティクス」Facebookでは「ページインサイト」
といった無料で提供されているサービスの他にも、動画用の解析ツールは各社がサービスを提供し始めています。
動画公開後は施策の効果を検証し、実際にどの程度目標を達成できたのか、今後はどの部分が課題となるのかを洗い出し、そのうえで改善していくことが重要です。再生回数は勿論重要なポイントですが、それだけがすべてではありません。
競合他社と比較しても意味はない!
正しくKPIを設定することで、動画マーケティングの可能性はより高まります。
配信して終わり、ではなくそこから効果を測定し、次へつなげていくことがとても重要です。
また、ついつい競合他社と比較してしまいたくなってしまうものですが、そこに関しては正当な評価ができなくなってしまいますのでやめた方がよいでしょう。動画広告は目的によりそれぞれにKPIが異なるというお話をしてきましたが、競合他社の動画においても同様で、それぞれに予算も違えば動画の内容、尺、すべて違うのです。
そのため、自分たちの設定したKPIをもとにして、クリエイティブを改善していくのが良いでしょう。同じ商品やサービスのプロモーションであれば、前回の配信と比較することでも、見えてくるものはきっとあるはずです。