こんにちは!石田美穂です
前回は、動画制作におけるKPI設定についてご紹介いたしました。
動画マーケティングの効果を上げるためにはまずは出稿にあたっての優先すべき目的を定め、動画公開後は施策の効果を検証します。実際にどの程度目標を達成できたのか、今後はどの部分が課題となるのかを洗い出し、そのうえで改善していくことが重要です。
企業のブランディングに動画を使うということであれば、やはり動画を見られなければ意味がありません。短い尺の動画広告であっても、ブランドリフト効果が得られるということは後ほどご説明しますが、そのためにも、配信するターゲットを明確にすることは非常に重要です。
どのようなユーザーに対しリーチするのが望ましいのか、戦略を立ててみましょう。
動画を1秒見ただけでもブランドリフト効果があるってホント?
ブランドリフト効果とは?
「その広告によってどの程度ブランディングへどの程度寄与したか」というもので、広告に対して、生活者を「接触者」と「非接触者」に2種類に分類し、
両者のブランドに対する態度の変化を比較することにより効果を測定します。
その広告に対してどのような感情をもってどういったイメージを想起するのか、といった個人の感情や気持ちの部分は定性的なものであり、それらは再生回数やクリック数などの、定量的な情報からは測れない部分があります。
ブランドリフト効果を測定するにあたっては調査対象となる生活者に対しアンケートに回答してもらうなどWeb上の効果測定だけではない調査の工数やそれに伴うコストが発生します。
一般的には動画広告は短い時間の視聴であっても十分な広告効果が得られるとされており、例えばFacebook社では、「動画広告はそれがわずか1秒足らずの間でも、広告想起・ブランド認知・購買意欲を向上させる効果がある」という調査結果を発表しています。なおこのリフト効果は視聴時間に比例して向上するとされています。
多くの人に観てもらいたい!将来の顧客に向けて広告を配信しよう!
では、新しいユーザーつまり「まだ製品やサービスを知らないが、将来顧客になるかもしれない」「認知はしているがまだまともに検討していない」というターゲットに対してどういったリーチが望ましいのでしょうか?
最近では低予算からでも動画広告を出稿できる運用型の広告が増えてきました。
運用型とは、予算やターゲティング、配信の回数やクリック数、期間といった様々な設定をリアルタイムで変動させながら出稿できる広告です。
従来の特定のメディアの広告枠を買い取って掲載する、バナー広告やテキスト広告のような形態を総称して純広告といいますが、純広告と異なり運用型広告では広告主の裁量によって予算やキーワード、効果が変動しやすい点が特徴です。
運用型広告のメリット・デメリットとは?
運用型広告では見られた回数やクリック数に応じて課金する料金体系のため、求める効果や出稿方法に応じて費用をコントロールすることが出来、限られた予算にあわせた出稿がしやすく、一般にテレビCMなどに比べると低価格です。
また、ターゲット別にピンポイントに広告配信できる点がメリットと言えるでしょう。
その一方で配信枠の購入は入札形式になるため、リスティング広告の場合は配信したいキーワードが人気のあるキーワードだった場合、そのキーワードに対して競合が多いということになりますので入札単価が高くなってしまうという場合もありますので、その都度効果測定を測りながら無駄のない広告配信を心がけたいものです。
その際に有効となるのが動画DSPの活用です。
動画DSPとは?
マーケティングに携わっている人であれば、DSPという言葉は耳にしたことがあると思います。DSPとは「Demand-Side Platform」の略であり、
広告主のためのサービスで、費用対効果を最適化するためのプラットフォームです。
仕組みとしては、複数のアドネットワークから横断的な広告配信を行うことができるため、複数の媒体へ希望の条件で出稿することができます。
今日では多数の動画DSPサービスが存在し、それぞれに特徴がありますので、自社の広告戦略にぴったりなDSPサービスを選びましょう。
DSPの仕組みとは?
広告配信までのながれ
①ユーザーがDSP広告枠のあるサイトを閲覧します。
②サイトは、ユーザー情報(性別、年代、興味、行動履歴など)とともにSSP(サプライ・サイド・プラットフォーム)に広告をリクエストします。
③SSPは提携する各DSPにユーザー情報を提供し、入札をリクエストします。
④各DSPは登録済み広告のなかからこのようなユーザーをターゲットとする広告を選択し、SSPに入札します。
⑤SSPは受け取った入札のなかから最高額の広告をサイトに通知します。
⑥サイトは落札したDSPに対して、広告配信のリクエストを送ります。
⑦DSPからサイトへ広告が配信されます。
⑧サイトに該当の広告が表示されます。
国内の主要DSP
ADMATRIX DSP
(株式会社フルスピード)
国内最大規模のIPアドレスデータベースとの連携により、多種多様なカテゴリからターゲットを設定可能。
Criteo
(CRITEO株式会社)ターゲットの行動履歴に応じて表示させる「自動最適化」の評価が高い、サイト外レコメンド機能がある。
FreakOut
(株式会社フリークアウト・ホールディングス)多量の広告枠にアクセスできるため、多くのユーザーに広告配信ができる。アトリビューション分析、レコメンドバナー配信機能など機能が豊富。
DBM【DoubleClick Bid manager】
(Google)Google AdWordsのように、Googleが提供している広告枠に限定されず、Facebook ExchangeやOpenXなど他のSSPにも配信できる。AdWordsで使ったターゲティングやリマーケティングリストの活用が可能。
Logicad
(ソネット・メディア・ネットワークス株式会社)シミュレーションにより複数のレコメンドプランを自動で提案、ターゲットの設定や分析が細かくできる。
MicroAd BLADE
(株式会社マイクロアド)国内の代表的なアドエクスチェンジやSSPと連携し、国内最大規模の売上シェアを誇る国産DSP。初心者でも使いやすく分かりやすい管理画面が利用可能。
Yahoo!プレミアムDSP
(Yahoo!Japan)日本最大のユーザー数を持つYahoo!Japanへの出稿が可能。月間3億以上のユニークユーザー数を分析する最適化機能が特長。モバイルにも対応。
引用元:https://service.plan-b.co.jp/blog/ad/4885/
自社に最適な動画DSPを選んでターゲティングを優位に
いつ、どの媒体で、どのようなユーザーの反応を得たのかという配信データをもとに、次の配信を調整することを最適化といいます。
どの時間に反応が得られやすいか、どのようなサイトに表示させるとクリック数を多く得られるのかなど、データを分析し効果が高まるように効率的な配信に変えていきます。
サイトの閲覧、購買情報や時間帯別の利用デバイスなどユーザーの行動をビッグデータとして蓄積し、最適化する方法をDMP(Data Management Platform)といいます。よりターゲティングを重視する場合はDMPが実装されているかもポイントになります。